守りの金、攻めの銀！今年一のパフォーマンスを見せたのは…

3394 Gold

2025年、金価格は大きく
相場が上がったのですが投資家の
熱視線を一身に浴びているのは、
そうでもなく銀（シルバー）。

これまでの常識では、
銀は金の弟分であり、金価格に
連動して動く脇役でした。

しかし今年、銀は独自の
上昇気流に乗り、金やプラチナを
凌駕するパフォーマンスを見せました。

ではその最大の要因は、
何だったのかというと
工業用・産業用の需要でした。

かつて銀といえば、
食器やアクセサリー、
写真フィルムの材料でした。

しかし2025年の銀は
脱炭素社会の血液へと
変貌を遂げました。

銀は金属の中でも
電気を通しやすい物質。

そのため、太陽光パネルや
電気自動車（EV）、電子回路に
不可欠な素材となっりました。

特に、最新の太陽光パネルは、
従来より多くの銀が必要だそうで
業界によっては金よりも銀
というシチュエーションも。

銀はこの5年間連続で
供給不足という事態に陥ってます。

銀の需要は右肩上がりですが、
鉱山からの生産量は慢性的な
供給不足に陥っているため、
地上の在庫を取り崩している状況。

欲しいのに、モノがない…
という需給の逼迫によって、
価格が押し上げられているのです。

また、金価格を銀価格で割った
金銀比価も働いています。

金価格が高くなりすぎたため、
相対的に割安に見える銀へ
投資マネーが雪崩れ込んだのです。

産業実需と割安感、
この2つが揃ったことで、
2025年の銀は、かつてないほどの
急角度で上昇を続けているのです。

店頭でよく聞かれる金銀問題

それだけ上昇しているのもあり
銀購入ってどうなのか？
と聞かれることがあります。

では、こうした局面において、
王道の金を買うべきなのか…
勢いのある銀に乗るべきか…

結論から言ってしまえば、
守りなら金、攻めなら銀
ではありますが、その理由を
お伝えしたいと思います。

ボラティリティ（価格変動）の違い

金は通貨としての側面が強く、
暴落時でも資産を守る
クッションの役割を果たします。

対して銀は、市場規模が
金よりも小さいため、少しの
資金流入で価格が乱高下しやすい
そんな貴金属ではあります。

たとえばですが
金が2倍になる間に、
銀は5倍になる可能性がある一方、
下がる時は半値になる覚悟が必要
ということです。

スリルと短期的な利益を
狙うなら銀でいいのでしょうが、
安心感を持って運用するなら金一択。

手数料（スプレッド）の罠

また、現物投資において、
意外と重要な点があります。

金に限らずプラチナ、銀は
小売価格と買取価格の差
（スプレッド）が発生します。

ただ、このスプレッドは
金・プラチナ・銀ですべて同じ
比率かというとそうではありません。

一般的に、銀に関しては
金に比べてスプレッドは広い
傾向にある貴金属です。

グラム単価が安いため、
製造時や輸送時のコスト割合が
どうしても高くなってしまうので、
手数料が割高になりがち。

つまり、銀は金に比べて
買ってすぐプラスにするのが難しく、
金以上に大きく値上がりしないと、
手数料負けのリスクがあります。

保管場所の問題

金は1kgで約2千万円弱の
価値がありますが、もしも
銀で同じ金額を持つならば、
約65kgもの銀塊となります。

銀は場所を取るだけでなく、
空気中で酸化して黒ずんでしまう
そうした可能性もあります。

ペーパーアセットならまだしも
現物資産で管理するなら、圧倒的に
金の方がコンパクトで楽です。

といった背景があるので
資産運用におけるコアはやはり
金（ゴールド）かと思います。

ある程度の金を持って置き
残りを銀で持っておくといった
ハイブリッドがベター。

銀の高騰は魅力的ですが、
それは荒れ狂う波のようなもの。

メインの船は安定した金にして
小型ボートで銀の波乗りを楽しむ
…といった距離感が、貴金属運用で
大怪我しないコツでしょう。。

本日はここまで。
ゴールド皇子こと中岡英也でした。
（名前クリックでプロフィール表示）
May the Gold be with you. 

【本日(12/22)の貴金属価格（9:30価格）】
　ゴールド：24,414円/g（+103）
　プラチナ：11,214円/g（+97）
　※田中貴金属公表の税込小売価格
　※2025.7.1より14:00にも価格が公表されます（平日のみ）

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