昔、金を販売していた店の態度がコロッと変わったお話

投稿日:

3708 Gold

 

先日、100gの金地金(インゴット)を
握りしめ、思い詰めたような表情で
お客様がご来店されました。

これが本物かどうか調べてほしいんです!
と、かなり切羽詰まったご様子でした。

 

お話を伺いながら入手経路を
確認させていただいたところ、
その金地金は昔、銀行の窓口で
直接購入したものだそうです。

通常、銀行のような信用ある
金融機関で金を購入すれば、
間違いなく本物であるハズ。

が、お客様がこれほどまでに
不安に駆られているのには
明確な理由がありました。

 

その方曰く、当時銀行の窓口で
代金を支払って金地金を購入した際、
計算書や品質保証書、購入日や価格が
記載された伝票といった証明書類が
一切発行されなかった模様。

お金と引き換えにただ現物の
金塊だけをポンッと手渡された
ということでした。

当時は銀行が売るものだから
間違いないだろう…とあまり気に
留めることもなく持ち帰り、そのまま
何十年も金庫にしまい込んでいました。

 

しかし今年に入り、金価格が
歴史的な高騰を続けているという
ニュースを見て思い出したのでした。

購入した当時の銀行へ
「証明書をもらっていないのだが、
購入記録はどうなっているのか?」と
問い合わせたようです。

ところが、銀行側の反応は冷淡で
購入履歴のことには触れられず
”手元にあるんだからいいじゃないですか”
と、まるで厄介払いをされるかのように
あしらわれてしまったそうです。

 

さらに不運なことに、不安に
駆られたお客様がインターネットで
調べていたところ、持っている金と
同じものの偽物が出回っている!という
注意喚起のサイトを発見。

その画面に写っている偽物は
お客様のお手元にあるものと
ブランドも重量も刻印の配置すらも
まったく同じものでした。

 

そのため、購入時の書類もなく、
銀行からは冷たく突き放され、
ネットには自分の持つのと同じ金が
偽物だと書かれている…。

パニックに陥ったお客様は
すがるような思いで当店の扉を
叩かれたのでした。

 

ということで当店に完備している
機器を使いチェックしたところ
結果は正真正銘の本物の金。

タングステンにメッキを施した
鉄くずではなく確かな資産。

その事実をお伝えした瞬間、
お客様が深々と安堵のため息を
つかれたお顔は今でも忘れませんね。

 

証明書類は必ず取るべし

 
かつて、
日本の銀行でも金地金が
窓口で販売されていた時期は
確かにありました。

しかし現在では、毎月定額で
購入していく純金積立を提供している
銀行はあっても、
窓口で金の現物を
直接売買する銀行は知りません。

そのため、過去に銀行で購入された
金地金を
地金商へお持ちになるケースは
決して珍しいことではありません。

 

ただ、そうしたお客様のほとんどは
金地金と一緒に、購入した当時の日付、
重量、購入価格、銀行名が記載された
計算書をセットでお持ちになります。

今回のお客様のように、買った当時
証明書類をもらえなかったというのは
極めて異例な事態です。

では、こうした取得時の書類がないと
一体何に困るのかというと、大きく
ふたつの問題に関わってきます。

 

1つ目は今回のお客様が直面した
”これが本当に本物の金なのか、
それとも偽物なのか分からない”
という純粋な恐怖です。

実物資産である金(ゴールド)は
知識が無い場合、その価値を証明する
書類がセットになって初めて、
持ち主に
絶対的な安心感を与えてくれる盾となります。

それがないと今回のお客様のように
常に不安と疑心暗鬼に苛まれることに
なることがあるのです。

 

2つ目は”売却時に利益が出たか
どうかを税務署に証明できない”という
出口戦略における致命的なダメージ。

金地金を売却して利益が出た場合、
譲渡所得扱いとなり、年間50万円の
特別控除額を超えた分については
確定申告が必要になります。

この税金を計算する際、
いくらで買ったか(取得費)を
証明する計算書が不可欠。

 

もし計算書を紛失し、
購入価格が証明できない場合、
税務上「売却代金の5%」が
取得価格となってしまいます。

つまり、残りの95%がすべて
利益とみなされてしまうので、
本来払わなくてもよいはずの税金を
納めないといけないことになります。

計算書がないまま適当な自己判断で
申告をしてしまえば、
脱税の疑いを
かけられるリスクすらあるのです。

 

数百万円の現金を支払って、
伝票や領収書がなく商品だけを
渡されるということは通常
まずあり得ないことですが、
十分にお気をつけください。

もし現在、手元に取得時の
伝票がない金地金をお持ちなら
購入した事実と金額を裏付ける
何かしらの情報を
今のうちに
探すことを推奨します。

 

金を購入したご本人が
健在なうちはまだしも、
やがて
ご本人がお亡くなりになり、
次の世代が相続したとします。

その際、伝票がなければ残された
ご家族が多大な税金と手続きの苦労を
背負うかもしれないからです。

 

金は、短期的に増やす投資ではなく、
インフレや有事から大切な資産を
守り抜く守りの資産です。

「買う時より売る時を考えよ」という
私の持論の通り、
出口の際に必要となる
書類の管理やメンテナンスを怠れば、
守りの力を失う可能性もあります。

次の世代に本物の資産を無事に
引き継ぐためにも、
現物と伝票は
必ずセットで保管してください。

 

 

 

本日はここまで。
ゴールド皇子こと中岡英也でした。
(名前クリックでプロフィール表示)
May the Gold be with you. 

【本日(10/30)の貴金属価格(9:30価格)】
 ゴールド:22,552円/g(-232)
 プラチナ:8,496円/g(-294)
 ※田中貴金属公表の税込小売価格
 ※2025.7.1より14:00にも価格が公表されます(平日のみ)

 

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