3553 Gold
先日、当店に一本のネックレスが
買取の査定に持ち込まれました。
お客様のお話を伺うと、ご親族が昔、
ヨーロッパ旅行の際に記念として
購入されたもの。
今となってはあまり見ない
アンティーク調の細工が施された
美しいネックレスでした。
ということでルーペを使って
引き輪(留め具)の小さな刻印を
確認したところ、そこにはあまり
見かけない「333」という数字のみ。
他に見慣れたK18や750といった
刻印はほどこされてませんでした。
流通している金のジュエリーは
ほとんどが「K18(18金)」や
「K10(10金)」といったカラット表記が
一般的なところではあります。
では、この333というのは一体
何を意味するのでしょうか?
結論から言えば、これは
千分率のことで33.3%が純金で
作られている…ということを示す表記。
ドイツやイタリアなどヨーロッパの
ジュエリーやアンティーク製品に
よく見られる刻印でした。
これを日本のカラット数に
換算すると8金(K8)相当のもの。
24金が純度100%(24分の24)なので
8÷24=0.333…という計算になります。
ヨーロッパでは普段使いの強度を保つ、
また手頃な価格でお土産用に販売するため、
こうした低純度の金製品が古くから
作られてきた地方ではありました。
歴史を感じさせる素敵なお品物で、
金が含まれていることは間違いありません。
しかし、当店ではこのお品物は
お買取りをお断りせざるを得ませんでした。
なぜなら、当店で対応している
田中貴金属工業の貴金属買取システム
リタナカ(RE:TANAKA)では純度が
9金までしか対応していないため。
そのため、33.3%(8金)以下は
お買い取りをしていないのです。
ということで、この度は
お断りしましたが、純度が低すぎると
正確な鑑定が難しくなることもあります。
そのため、他店でも買取対象外と
扱われることもあるようでして、
金が含まれてても低純度であると
それはリスクということを改めて
認識した接客となりました。
低純度の罠!買うならコンビ製品という手も
この333(8金)の買取不可ですが、
決して昔の海外製品に限った
対岸の火事ではなかったりします。
というのも実は最近、日本の
ジュエリー市場でも今回の件と
似たような低純度化の波が静かに
押し寄せているためです。
去年には5金(含有率20.8%)という
ジュエリーも出たくらいなので…。
こうした低純度化の原因は、
歴史的な金価格の高騰にあります。
金相場が数年前の何倍にも跳ね上がり
主流だったK18(純金75%)では、
販売価格が高くなりすぎて、なかなか
手が出せなくなってしまったためです。
少量化などで低単価品を出したり、
純度を落とした商品を市場に投入する
といったメーカーが出だしたのでした。
見た目がどれほど華やかで
金(ゴールド)が含まれていたとしても
純度が低すぎる合金ジュエリー。
こうした物は先ほどのネックレスのように
いざ手放そうとした時に買取不可の烙印を
押されるリスクが上がります。
購入時は数万円もしたのに、
出口(売却などの換金)が
完全に塞がれてしまうのは
なかなか致命的です。
なので、もし、予算の都合で
純金(K24)やK18以外のジュエリーを
購入するのであれば、低くても10金。
それを下回るような中途半端な
低純度の合金を選ぶくらいならば、
プラチナやシルバーとのコンビ製品を
選ぶことをお勧めします。
プラチナ(Pt900)と金(K18)の
組み合わせであったり、
シルバー(SV925)と金(K18)が
組み合わさったデザインのものです。
シルバーは空気中の硫黄分と
反応して黒ずんでしまうという
お手入れの欠点こそあります。
ただ、プラチナもシルバーも、
それぞれが世界市場で認められた
独立した貴金属ではあります。
「プラチナと金」「シルバーと金」と
分けて鑑定・査定ができるため、
いざという時の流動性(換金性)は
低純度合金とは異なるのです。
金が高騰している時代だからこそ、
低純度品には警戒が必要です。
純度が低すぎるぐらいなら、
他の金より安い貴金属と混ぜ物の
コンビ品を選ばれる方が無難な
選択ではありますね。
本日はここまで。
ゴールド皇子こと中岡英也でした。
(名前クリックでプロフィール表示)
May the Gold be with you.
【本日(5/28)の貴金属価格(9:30価格)】
ゴールド:25,294円/g(-227)
プラチナ:11,050円/g(-69)
※田中貴金属公表の税込小売価格
※2025.7.1より14:00にも価格が公表されます(平日のみ)
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