硬くても割れるときは割れる！硬さが全てではありません

2867 Gold

サファイアガラスの
風防がバキバキに割れた
時計の修理をお預かり。

どこかに落としたようで
その衝撃で割れたようです。

腕時計のガラス素材では
サファイアガラスが最も頑丈で
割れにくいのですがそれでも
酷い壊れよう。

恐らくよっぽど堅いところへ
打ちどころ悪く当たったのでは
ないかと思います。

いかに堅いガラスとはいえ
直で当たってしまうとコンクリや
鉄などでも割れてしまいます。

今回は割れたガラスの破片が
粉々になっており文字盤の内部にも
侵入していたので単純にガラスを
交換するだけでは済まず…。

結局のところ分解掃除と
セットとなってしまいました。

ちなみにサファイアガラスは
宝石のサファイアと同じ構造で
作られた人工のガラス。

サファイアは宝石の中では
ダイヤモンドの次に硬い宝石で
それと同じ硬度ということ。

耐熱性にも優れており
高級時計のほとんどはこの
サファイアガラスが使われてます。

ただ、硬いからといって
割れないワケではありません。

ダイヤモンドもそうですが
硬いので傷つきにくいものの
衝撃を防げるわけではなく、
トンカチで簡単に壊せます。

となるとサファイアガラスも
1点集中したような衝撃によって
割れてしまうのは致し方ないこと。

時計は腕に付けるので私も何かと
色んな所にぶつけることが多く
その度にヒヤヒヤするものです。

結局のところは丁寧に扱う
これしかないんですけどね…。

ちなみに宝石店や時計店は
落下時の故障を防ぐこともあり
床が絨毯のお店がほとんどなのは
ちょっとした業界トリビアです。

展延性で衝撃に強いゴールド

ゴールドを購入されたお客様から
たまにこのような質問をいただきます。

”インゴットや金貨って、
机の上とか高いとこから落ちて
割れたりはしないんですか？”

現物資産として扱う以上
大事に持ち歩いてたとしても
ポロっと手から落ちてしまう
その可能性はゼロではありません。

ではインゴットや金貨など
純度の高いゴールドというのは
サファイアガラスのように
割れることがあるのでしょうか？

答えとしては

No！

ゴールドは特徴として
展延性を持った資源であり
千切れることはありますが
衝撃を与えても基本割れません。

この展延性は言葉の通り
延びることで柔軟に変形するもので
金箔のように薄く延ばせれるのは
この性質が備わっているため。

ではゴールドに衝撃を与えると
どうなってしまうのかというと
変形するので凹むということ。

噛んだら歯形もつきますし、
インゴットをちょっと叩いただけで
凹ませることも可能です。

ちなみにもしも強い衝撃を与え
割れてしまった場合にはゴールドでなく
タングステンである可能性が高いです。

このタングステンは比重が
ゴールドに近いため、インゴットの
偽物に使われたものが横行しました。

比重はほぼ同じであるものの
ゴールドとの違いは硬さ。

タングステンは展延性がなく
とても硬い金属であるため、
衝撃を与えると割れやすいもの。

タングステン製のリングを
外せなくなったとのことで過去に
相談を受けたことがあったのですが
その際もハンマーで叩いて割り
対処したことがありました。

タングステン製の
偽物インゴットというのは
X線分析装置がないとなかなか
判断が難しいものではあります。

中には薄い純金でタングステンを
巧妙に隠すインゴットもあり、
X線分析器で見分けられないことも…。

そんなときはハンマーで叩くなど
衝撃を与えることで真偽を判断する
これしかないんですよね。

本日はここまで。
ゴールド皇子こと中岡英也でした。
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May the Gold be with you. 

【本日(7/13)の貴金属価格】
　ゴールド：13,535円/g（-64）
　プラチナ：5,694円/g（-48）
　※田中貴金属公表の税込小売価格

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