投資思考の顧客が増えた日本のジュエリー業界

2604 Gold

インフレに金融破綻、
更には戦争とあまり良い
ニュースが少ない今日この頃。

宝飾品業界でも先日
暗いニュースが舞い込みました。

インドには世界有数の
ダイヤモンド工場があるのですが
中でも多いのがボタッドという場所。

このボタッドで稼働していた
ダイヤモンド工場の40%以上が
閉鎖してしまうというもの。

なぜ閉鎖になったかというと
ダイヤモンドの世界需要が
低迷したためです。

インドは中国と並んで
世界新興勢力として
急成長を遂げた国。

2010年くらいから世界の
ダイヤモンド取引における
中心地ともなってます。

その背景としてあるのが
原石買い付けだけでなく、
研磨に販売と一環して
手掛けたのが背景にあります。

まさに世界において
ダイヤモンドの覇権を
握る勢いだったインド。

そんなインドもコロナ禍や
世界的不況による宝飾品需要の
低迷の影響を受けました。

その結果として
ダイヤモンド加工の工場は
廃業せざるを得ない状況と
なってしまったワケです。

更に需要は減りつつも
最近はダイヤモンドの
リサイクル需要も高い状況。

特に日本のダイヤモンドは
高品質な物も多いため、
海外向けオークションでは
インドのバイヤーも多いほど。

原石を購入し、それを研磨、
加工して製品化するよりも
出来上がったものの方が
圧倒的に手間も掛かりません。

そうしたリサイクルによる
供給状況というのもインドの
ダイヤモンド産業に影響を
及ぼしたものと思われます。

あまり海外においては
宝飾品業界の暗い話を
聞いたことが無かったので
驚きを隠せなかった次第です。

需要が衰えない地金ジュエリー

ダイヤモンド需要が下がり
閉鎖に追い込まれた工場。

これジュエリーの小売り店を
経営している私としては
こうなることも何となくですが
予測はできていました。

というのもコロナ禍前くらいから
店頭で売れるジュエリーというのは
宝石のついてない地金ジュエリーが
ほとんどであるため。

展示会などで珍しい宝石、
普段目にできないような宝石が
ついたジュエリーは動きます。

しかし、普段の店頭販売では
冠婚葬祭で使われるダイヤモンドや
真珠以外の宝石はあまり売れ行きが
良くないなぁ…と感じる次第。

どうしても喜平ジュエリーや
宝石が付いていないジュエリーを
選ぶ方が増えた傾向にあります。

確かに近頃の地金ジュエリーは
カットや研磨の技術向上によって
宝石に引けを取らないくらい
輝きの強いものも増えました。

宝石外れのリスクが少ない
地金ジュエリーを選ぶ方が
増えている背景もあります。

それにしても宝石が
売れないなぁというのを
ひしひしと感じる次第です。

ちなみになぜ宝石付きより
地金物が選ばれるのかを
お客様に聞いてみたところ…

”宝石は使わなくなったときに
換金したところで買った時ほど
大した金額にならないから”

ということでした。

当店は宝石店でありながら
貴金属売買も行っているため
お客様が換金性を求める傾向に
なってきたのかもしれません。

ただ、県外同業者にも
話を聞くと同じ傾向にあって
地金物しか売れないとのこと。

そのため、当店と同様
喜平ジュエリーに力を入れる
お店も増えてきたようです。

宝石は宝石でも、何か
消費者に心をときめかせる
付加価値を与えない限りは
なかなか難しいのかなぁ…と。

もちろん地金物であっても
ジュエリーが売れることは
ありがたいのですがもっと宝石の
存り方を考えないといけない
なんて感じる今日この頃です。

本日はここまで。
ゴールド皇子こと中岡英也でした。
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