メッキだから価値がゼロというワケではない

投稿日:

2579 Gold

 

これって価値があるんかね?
ということでお店のご近所さんから
鑑定の相談を受けました。

で、見せてもらったのは
錆びてきている銀杯、そして
変色が進行している金杯。

そして、715と刻印され
野球ボールとバットデザインの
ネクタイピン、更に金色の置物。

 

杯に関しては銀杯は刻印で
”純銀”と記載されていたものの
金杯に関しては”K24GP”。

GPはGold Platedと金張りの
メッキ品なので買い取り対象外。

純銀もグラム数十円の価値で
換金しても太い金額にならず
記念でもらったものだったようで
銀杯も金杯もお返ししました。

 

今ではなかなかこういった
杯をもらうことってないけども
昔は記念の際には杯の贈呈の
機会が多かったようです。

似たようなのがたくさん
あったようですが、とはいえ
全て”K24 GP”の刻印だそうで
ガッカリされていましたが…。

 

で、お客様が気になったのは
715の刻印が施された
ネクタイピン。

これは箱も一緒に残っており
それに記載されていたのが
王貞治さんの715本塁打記念で
某ジュエリー店が販売したもの。

刻印を見ると正面から見える
バットの部分にはK10の刻印、
裏についていたクリップ部分は
SILVERの刻印がありました。

 

お見積りをお伝えしましたが
ひょっとしたら王貞治さんの
価値が高まるかもしれない
ってことでひとまずは返却。

急いで換金する必要もなく
これまた保管することに
なってしまいました。

 

 

古銭か素材としての価値か?!

 

そして、最後に残ったのが
金色で長い赤い紐の付いた
円形のオブジェのようなもの。

”尚瑞院 閏字號五馬牌
雍正八年六月”と記載され
反対側には五頭の馬のデザインが
あしらわれてました。

 

これは写真でも見る限り
黒ズミや変色箇所があるように
金素材でないことは明らか。

なかなかの大きさだったので
持った時にズッシリしましたが
この大きさでゴールドだったら
もっと重くなってしまいます。

一応X線鑑定したのですが
案の定、ゴールドではなくて
銅と亜鉛の合金である黄銅。

 

いわゆる五円玉とほぼ
同じ材質ではあったので
弊社では買取にいたらず。

ただ、これは材料としての
価値は低かったのですが
違う使い道での価値として他店で
買い取ってもらえたようです。

後日聞いたのですが、
このオブジェは古銭扱いだそうで
好きなコレクターにとってはお宝品。

 

刻印に施されていた馬牌は
マペと呼ばれるものであって
公用馬に用いられた証票であり
いわば通行証といったもの。

朝鮮時代に使われた物で
もしも本物なら数十万以上ですが
今回はレプリカだったので数千円で
引き取ってもらえたようです。

 

材料としてはほぼゼロ円なものも
思わぬ価値によって意外な金額に
なってしまう可能性もあります。

弊社の場合は地金商直結なので
買取となるとあくまで素材として
リサイクル価格での取引となります。

 

しかし、売却するお店によっては
素材以外の付加価値として鑑定する
…といった業者もいます。

適材適所と言いますか
買取店も得意不得意があるので
もし価値が無いと言われたものの
ひょっとしたらお宝になる可能性も
ゼロではないかもしれませんね。

 

 

 

本日はここまで。
ゴールド皇子こと中岡英也でした。
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