傷つきやすく変形しやすい純金は細めリングに不向き

2721 Gold

知り合いから指輪を
見繕って欲しいとご連絡。

贈り物として検討しており
付ける指やデザインなど
要望をヒアリング。

何点か提案したのですが
即決力が高い方ともあって
スパッと決まりました（笑）

今回は女性への贈り物
ということだったのですが
体型が細身であるとのこと。

なので指輪に関しても
ボリュームがあるというより
シンプルで細身のデザインが良い
とのことでした。

宝石に関しては無くてもいい
ってことで、定番の細身の
地金リングとなりました。

そして、地金の素材と純度を
聞いたのですが、なんと要望は
純金製とのことでした。

当店は純金製のジュエリーを
扱っており、バリエーションは
結構ある方だと思うのですが
今回はちょっとお断り。

もちろん技術的には
全く問題なく作れるのですが
作った後に問題が発生する
リスクが高いためでした。

そのリスクというのは
変形や切断のリスク。

今回ご注文いただいたのは
シンプルで細身ということで
ほぼピンキーリングに近い物。

そうなると柔らかい純金で
作った場合に指輪として使うと
変形しやすく細いがために
切れる可能性があったのです。

もちろん硬化剤を入れたり
鍛造製法によってある程度の
硬さを持たせることは可能。

ですが細身の指輪となると
どうしても変形リスクが高まるので
今回は純金ではなく18金で
お作りすることになりました。

純金商品のデメリット

ジュエリーに使われている
ゴールドの多くは18金という
他の金属との合金です。

なので確かに金製品であれど
本来のゴールドの輝きかというと
そこは変わってくるところ。

ここ最近では本来のゴールドの
輝きを身に付けたいということで
純金製のアイテムが人気です。

冒頭にもあったように
指輪として指に付けたり、
ペンダントトップにしたり…。

ブレスレットやネックレスでも
その純金製の需要が高まりつつあり、
当店でもイベント日でない平時でも
問い合わせがあるほどですから。

とはいえ変形しやすくて
傷付きやすいデメリットがあり
その辺りを気にする方には
手を出すのに躊躇するところ。

ちなみにどれぐらい
変形しやすく傷つきやすいか
というのは以下2つの硬度を表す
数字によって証明されてます。

①ビッカース硬度
②モース硬度

ビッカース硬度は変形に関する
硬度を数値化したものでして、
数字が高いほど硬くて変形しにくく
宝石業界では指輪の変形のしやすさを
素材ごとで出すのに使われます。

もうひとつのモース硬度は
10段階で傷のつきにくさが表されており
宝石で耳にする硬度情報です。

では純金の場合、それぞれ
どんな数値かというと以下の通り。
①ビッカース硬度：22～25
②モース硬度：2.5

ちなみに人間の歯は
エナメル質でできており
数値で表すとこうなります。
①ビッカース硬度：270～366
②モース硬度：6～7

つまり人の歯の方が頑丈で
もし純金に噛みついたとしたら
簡単に傷をつけれるってことです。

とはいえ、純度が高いので
・18金よりも売却時に有利
・本来の輝きを楽しむことができる
・金属アレルギーになりにくい
といったメリットがあります。

もし純金製品を身に付けるなら
ある程度、頑丈な物を選ばれると
破損リスクも低くなります。

私は厄除けで喜平のブレスレットを
購入したのですが純金製のもの。

喜平なので作り自体が頑丈で
昨年から使っていますがもちろん
変形や小傷もありません。

本日はここまで。
ゴールド皇子こと中岡英也でした。
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