根拠やリソースなしに金価格の短期的な予想は語れない

3231 Gold

7月5日が過ぎ去りましたが
日本ではこの日を巡ってとある
予想で騒然となった日。

この騒動の始まりは、
漫画家のたつき諒さんが描いた
「私が見た未来 完全版」という作品。

作品内ではたつき氏が
2021年7月5日に見た予知夢として
2025年7月に大災難が起こる
…という内容が記されたもの。

ただ、SNSで拡散される過程で
情報が歪曲されてしまって
2025年7月5日に地震が起こる
…と置き換えられました。

実際には、7月5日は
たつき氏が夢を見た日であり、
予言された災難の時期である
2025年7月と異なるものでした。

私がこのことを知ったのは
ニュースで香港や台湾などアジア諸国で
日本旅行のキャンセルが相次ぎ、
その原因がこの度の件だったというもの。

気象庁の野村竜一長官までもが
異例の発言を行ったこともあって、
テレビでもネットでも噂となりました。

こうした話を信じる人もいれば
当然信じない人もいるワケでした
私はというと信じてませんでした。

冷静に考えれば分かりますが
こうした天変地異を予測できる
人なんてこの世にいないからです。

そんな7月5日を迎えるにつれて
変な期待が高まったものの鹿児島県では
実際に地震活動が活発化する事態。

トカラ列島近海では 6月末頃から
地震が継続的に起こり、震度6弱の
地震が発生しました。

ただ預言が外れた後になると、
SNSでは誹謗中傷の書き込みが
多数見られました。

発信者がどのような内容を
発信しようとそれは個人の自由で、
その情報を鵜呑みにして行動した
受け取り側の責任なんですけどね…。

政府関でさえ困難な地震予知を
予知夢で判断できません。

とはいえ作者の預言では
2025年7月とのことだったので
ひょっとしたらまだ起こる可能性も
あるのかもしれません。

当たったら凄いのでしょうが
あまり当たって欲しくはない
預言ではありますけどね。

予想できないからこそ投資

金価格が最高値を更新したり、
田中か貴金属での公表価格が
追加になったりとボラティリティ…
日中の価格変動が大きい昨今。

”金価格は今後どうなりますか？”
という質問を頻繁にいただきます。

しかし正直に申し上げると、
短期的な金価格予想は専門家でも
極めて困難なのは本ブログでも
何度も取り上げていること。

この理由として、金価格を
左右する要因はひとつではないため。

地政学的リスク、米国の金利政策、
中国・インドの需要動向、 ドル相場、
インフレ率など、 複数の要因が同時に
かつ相互に影響し合っているため。

どれかがリスクとして上がっても
他の要因のリスクが落ち着いてしまうなど
これらの相反する要因がどちらに
振れるかは日々変化するもの。

また、2020年のコロナショック、
2022年のロシア・ウクライナ情勢、
そして現在も続く中東情勢など、
金価格に大きな影響を与える
突発的事象は予測不可能です。

トランプ政権の関税政策、
各国経済政策変更、FRBの政策転換など、
ひとつの国の動きが金価格を数百円単位で
変動させるのも珍しくありません。

また、日本の投資家にとって
更に複雑にさせているのが為替。

ゴールドはドル建てで取引されるため、
円建ての金価格はゴールドの価格変動と
円ドル相場の変動という二重の
不確定要素を抱えています。

このような理由から、
短期的な金価格予想は
ギャンブルに近いといっても
過言ではありません。

ただ、長期的にみると
ゴールドの希少性、工業需要の増加、
地政学リスクの恒常化などを考慮すれば、
ある程度の 方向性は見えそうです。

投資判断、特にゴールドに関しては
株や債券よりも長期視点で見える情報が
多いこともあるので、冷静に長期視点で
運用することが大事なのです。

全く根拠やリソースがないのに
短期的に金価格が高騰するなど
そういったネット記事や広告を
目にすることがあります。

長期ならまだしも短期で
そういった謳い文句はまず
信用しにくいものではあります。

ゴールドはそれこそ株のような
インサイダーはできませんからね。

本日はここまで。
ゴールド皇子こと中岡英也でした。
（名前クリックでプロフィール表示）
May the Gold be with you. 

【本日(7/13)の貴金属価格（9:30価格）】
　ゴールド：17,571円/g（+0）
　プラチナ：7,397円/g（+0）
　※田中貴金属公表の税込小売価格
　※2025.7.1より14:00にも価格が公表されます（平日のみ）

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