レプリカにはなく本物の小判ならではの削れた跡

投稿日:

3347 Gold

 

家から出てきた小判、
これって買い取れますか?
と相談いただきました。

預かった小判を見ると
特に純度の刻印はないけど
”両”といった感じがチラホラ。

話を見る限りどうやら
本当に使われていた小判で
実家の倉庫から出てきたと…。

 

小判と一緒にボロボロの紙も
入っていたようでして、
それを見るとその小判は
文政小判とのこと。

江戸時代に発行された小判で
1819年(文政2年)から1842年まで
流通したと言われてます。

金品位は56.4%程度で半分弱と
江戸時代に鋳造された10種類の
小判の中で最も金含有率が低い小判。

 

なぜこんな品質の低い小判を
作ったのかというと、当時の幕府の
財政がかなり厳しかったから
…という説があります。

表向きは以前流通していた
小判が傷んできた…という理由でしたが
本当の狙いは改鋳で利益を得るため、と。

つまり、幕府のお金の問題を
解決するために生まれた小判である
という説が生まれたのでした。

 

小判の表面にはをすだれ状の模様、
扇形の中に桐の紋、壹両という文字、
後藤光次という職人の花押。

裏面には文という字が彫られ
発行枚数は江戸時代に流通した
小判の中でも多い方。

 

ちなみに文政小判で面白いのが
裏面の左下に施される2つの印。

「大」と「吉」が揃った「大吉」、
「馬神」といった縁起の良い組み合わせは
コレクターの間で高値がつくようです。

 

本物の小判にある削れ

そんな預かった小判ですが
”ところどころ削れていて色味が
違う箇所があるんですけど…”
なんて話もされました。

確かにレプリカであれば
こうした削れはないのですが
本物の小判ではあること。

その削れがある理由について
主に2つあるんです。
①自然な摩耗
②悪意ある盗み削り

 

小判ということで当時
お金として流通していたので
それ単純に何百年も人の手から
手へ渡って流通してきた証。

江戸時代の小判は日常的に
財布や懐に入れて持ち運ばれたり、
何度も触られたりするうちに、
表面が擦れて削れてしまうのでした。

特に小判の角や縁の部分が
摩耗しやすいので流通している
小判でもそういった箇所が
削れていることが多いのです。

 

また、小判というのは
金で出来ていたがために
ヨーロッパの金貨と同じような
問題が起こりました。

それは小判の縁をわずかに
削り取って金を盗む行為。

小判1枚から少しずつでも
削り取った金を集まれば、
そこそこの価値にはなります。

 

ちなみに現代の硬貨の縁にある
ギザギザは、削り取り防止の名残。

で、小判が流通していた当時、
こうした問題に対応するために
定期的に改鋳が行われていました。

表向きは貨幣の品質維持とし、
摩耗したり削られたりした
古い小判を回収して、小判を
新しく鋳造し直すのワケです。

 

なのでそうした機会を利用し、
金の含有率を下げて財政を立て直す
…なんて目的もあったと言われたのです。

小判の表面にある茣蓙目(ござめ)という
細かい線状の模様も、内部まで同じ
金銀合金であることを証明するための
工夫だったと言われてます。

表面だけ金メッキした偽物を
見破るための仕掛けってことです。

 

 

 

本日はここまで。
ゴールド皇子こと中岡英也でした。
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