高騰したロジウムの背景、金やプラチナへの影響

1636 Gold

何度かお話させていただいた
日本貴金属マーケット協会の
代表理事ブルースこと池水さん。

Twitterでフォローしているので
毎朝を見ているのですが思わず
吹いてしまったつぶやきを見ました。

そのつぶやきというのは
ロジウムの価格の高騰。

https://twitter.com/BruceIkeGold/status/1362883927732416512?s=20

2019年には9年ぶりの
高値更新となりましたが、
その高騰っぷりはまだ健在で
20,000$/oz越え。

ここ最近の相場だと
金（ゴールド）が1,750$/oz
プラチナが1,250＄/ozなので
ロジウムはこれらの10倍以上の
価格で動いているってことです。

日本円に換算すると、
約68,000円/gですね。

ロジウムは2020年に入ってからも
どんどん値段が上がっており
その動きは3月中旬まで
勢いが止まりませんでした。

去年の3月といえば
金やプラチナも一時的な
暴落をみせた月。

貴金属全体の相場が
一気に暴落したこともあって
弊社もてんてこ舞いだったので
記憶にある月でした。

ただ、それ以降は値段が
うなぎ上り状態となっており
未だに国際価格での高値は
更新中といった状態です。

そんなロジウムは主に
ガソリン車で使われており
プラチナやパラジウムと併せて
重宝されている貴金属。

酸性雨の原因となる窒素酸化物を
窒素に還元するのがロジウムで
プラチナとパラジウムは炭化水素を
無害な水と二酸化炭素に分解して、
公害度の少ないガスに変えます。

そのため、2019年にロジウムが
みせた急騰は同族資源である
パラジウムの供給不足によるもの。

…でしたが、今年見せている
ロジウムの高騰劇場は
自動車需要以外にも別の
背景があったのです。

圧倒的供給不足

ロジウムは貴金属の一種で
ただでさえ稀少性が高いので
需要が高まるだけでなく実は
こういった背景がありました。

それは

南アフリカの供給不足

ロジウムの供給のほとんどは
南アフリカでのものであり
その供給量が影響してました。

ではなぜ南アフリカの供給が
追い付いていないのかというと
新型コロナウイルスの変異株流行。

新型コロナウイルスには
ヨーロッパ型と南アフリカ型の
2種類の変異株が流行中。

この変異株についてはまだ
ワクチンが開発されていないため
感染者は増える一方な状況。

それによって鉱山の
稼働率が下がってきているのが
背景となっていたのです。

ちなみにロジウムをはじめとし
パラジウムやプラチナなどといった
白金族金属は主に南アフリカや
ロシアで多く産出されます。

プラチナがここ最近
上がってきているのですが
これも南アフリカの供給不足が
一因でもある状況です。

ちなみにロジウムは
ジュエリーでも使われており
ホワイトゴールドやプラチナの
表面にメッキ加工として
施されることがあります。

ホワイトゴールドは
長年使っていると本来の
金の黄色味が出てくるので
白く見せるためのコーティング。

プラチナには綺麗な白さを
出すために純度によっては
ロジウムコーティングされます。

ホワイトゴールドは
ただでさえパラジウムという
金やプラチナよりも高価な
貴金属が使われてます。

そのため、18金といえど
イエローゴールドよりも
ホワイトゴールドの方が
高い状況になってます。

そこに更に高価な資源
ロジウムが加わるってことは
YG＜PT＜WGという図式も
見えてくることもあります。

金の場合には純金よりも
18金ホワイトゴールドの方が
高まる可能性があります。

プラチナだって同様、
純プラチナが最も安くなる
違和感だらけな図式に
なってしまうかもしれません。

なんにせよロジウム価格が
高騰を維持してしまうと
ジュエリー価格への影響も
免れることはできなさそうです。

本日はここまで。
ゴールド皇子こと中岡英也でした。
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May the Gold be with you. 

【本日(2/26)の貴金属価格】
　ゴールド：6,713円/g（-114）
　プラチナ：4,634円/g（-170）
　※田中貴金属公表の税込小売価格

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