ロシアで金本位制度が起こってもすぐ廃止される理由

2072 Gold

弊社でご贔屓いただいてる
お客様から電話がありまして
こんな話をされました。

これからロシアは
金本位制度を採用するから
金を持っておいた方がええで
…とのこと。

このお客様は過去に
何度もナカオカで金取引を
されている方です。

来店される度、金に関する
持論を展開してもらえるので
接客していて楽しいもんです。

ちなみにその話に
なった経緯というのが
このネット上でのネタから。

【ロシア、通貨ルーブルの金相場との連動を検討＝大統領府】

ウクライナへ侵攻して
各国から経済制裁を
受け続けているロシア。

戦争の結果に限らず
ロシアにとってはあまり
いい将来が見えない状態。

ルーブル通貨の価値も落ち
自国で金（ゴールド）を産出でき
ある程度の保有量もあります。

そういった背景もあり
金本位制が採用されるのでは？
なんて思う人も少なくなく。

インターネットでも
そういった話もちらほら
出ている状況ではあります。

ちなみに私としては
金本位制が起きる可能性は
ないと思うのが持論。

過去の金本位制では某国の
鶴の一声もあったワケですが
そもそも金本位制をするには
金の量が​必要となります。

そんな制度を一国が
始めようというのも
なかなか難しい話かと。

とはいえ何が起こるか
分からないのは世の常。

可能性は低いでしょうが
万が一採用されることも
あり得るワケなのでまずは
どうなるか静観ですね。

金本位制度が導入されると…

金本位制度というのはかつて
日本でも行われたことがありますが
現在では廃止された制度です。

金本位制度のメリットとしては
通貨の信用度を持つことができ
通貨価値の均衡を保てれる点。

なので今回はロシアの
ルーブル通貨の価値が落ちているので
この金本位制度が…という話に
なってきているワケです。

金本位制度が導入されると
通貨と金を交換できるように
通貨と同じ価値分の金を
保管しておく必要があります。

そのため、過去に行われた
金本位制度ではその保管する分の
金を確保できなかったので
維持することができませんでした。

つまり、通貨価値を
高めることにはなりますが
それだけ金が必要なのです。

ロシアのGDP（国内総生産）ですが
4月時点の推計で約1兆8千億ドル。
※GDP：国の経済力や儲ける力

このGDPを金で賄うということなら
最近のドル建て金相場の平均である
1850＄/oz（59.7＄/g）で計算すると
約3万トンは必要となってきます。

しかし、ロシアが持っている
金の保有量と言うのは約2千3百トンと
全然足りない量となります。

保有量の情報については
こちらのサイトを参考にしました↓↓
【レッツゴールド 世界の金保有国ランキング】

GDP（国内総生産）というのは
文字通り国内で生み出されたもののみ
カウントする指標です。

ロシアの自国通貨ルーブル分の
金を保有する必要がある金本位制度は
このGDPを賄える量を最低でも
持たないと成り立ちません。

しかし、ロシアの金保有量では
10倍以上ないと実現が難しく
仮にこのままの保有量で進めるなら
金の高騰に期待するしかありません。

もし中国と組んだとしても
中国の金の保有量はロシアより少なく
2国で足してもまだまだ不足です。
（中国の公表情報は不透明ですが…）

GDPという指標を用いた
単純な理論ではあるのですが
理屈上実現は困難です。

もしやったとしても
1ヵ月ほどすれば金の保有量が
足らなくなる可能性が高いのです。

本日はここまで。
ゴールド皇子こと中岡英也でした。
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