１０数年ぶりの長期金利で円建て金相場は１万円切り

2583 Gold

8月末から店頭での
金小売価格は1万円/g超。

いつまでこの状態が
続くのかと思っていると
月末には4桁に元通り。

5桁のときは買取が多く
4桁になると購入者が増える
という動きに逆転しました。

それまでは買取が多く
お店在庫のキャッシュも連日
底をつくほどのもの。

一時的とはいえど
会社のお金が足りなくなる
状況が一変したワケでして
何ともこの1カ月はドタバタと
慌ただしかったです。

さて、今回の円建て相場が
下がった背景としては
ドル円為替よりもドル建て。

むしろ為替に関しては
円安傾向と動いていたので
円建て金価格にとっては
上昇トレンドになるハズ。

それだけドル建て金価格の
下落のインパクトが強かった
…ということですよ。

円建て金価格が1万円台を
維持していた頃のドル建て金価格は
1,900～2,000ドル/oz台を
ウロチョロとしていました。

それが1,900ドル/ozを切り
為替の円安以上に下がったので
円建て金相場は大きく値段を
落とすこととなりました。

しばらく上がりっぱなしで
いつか下がると踏んでましたが
ちょっと予想外での下落。

ちなみに今回ドル建てが
下落した背景としてあるのが
アメリカ長期金利の利上げ。

よくこのブログでも出る
政策金利という言葉がありますが
これは短期金利を示すもの。

それに対して長期金利は
10年国債利回りを指標として
市場で決まる金利。

先月よりアメリカにおいて
長期金利は上昇傾向にあって
10数年ぶりの高水準。

そうなるとそっちの方が
利益が得やすいワケでして
市場としてはゴールドを売り
長期金利に流す傾向となります。

今回のドル建て相場はまさに
長期金利へお金が流れたことで
ゴールドが売りに動いた結果
…ということです。

過去に同水準だった金利

FRBによる政策金利の利上げ、
そして長期金利の利上げ…と、
現在のアメリカは金利天国。

しかも、それらの金利も
ここ数年でも最も高いんだから
機関投資家がそっちにお金を
入れ込むのも頷けます。

手元に持っている間に
利息等が付かないゴールドが
金利のライバル的存在なのも
納得できるってもんです。

ちなみに10数年ぶりに
高水準となった長期金利ですが
政策金利に関して言うと
現在は22年ぶりの高水準。

そして、年内のFOMCでは
経済指標によっては利上げを
まだ行う可能性もあります。

もし更なる利上げがあると
2000年に入って以降の最高金利
となり、まさに未曾有の引き上げ。

ですが、これによって
当店のお客様は逆にゴールドを買う
という方が増えています。

なぜならばこれだけ利上げを
行いまくってしまうとその弊害で
アメリカ政府は財政破綻となる
リスクが高まってくるため。

まさかアメリカに限って
そんなことがあり得るのか？
…と思いがちではあるのですが
アメリカは先日債務上限を行った
ニュースをご存知でしょうか？

ちょうど広島でG7サミットが
開催される前にメディアを騒がせた
アメリカの債務上限です（詳しくは↓↓）。

金利を上げまくったせいで
政府の利払いは過去最高となり
概算でも1兆ドル規模。

もともとコロナ禍によって
財政が良くないところに
思わぬカタチで大きな利払いが
発生したのはアメリカにとって
なかなか甚大なもの。

円建て相場は高いけども
ドル建てもひょっとしたら今後
ドカッと上がるのでは？
…と買う人が増えているのです。

本日はここまで。
ゴールド皇子こと中岡英也でした。
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May the Gold be with you. 

【本日(10/3)の貴金属価格】
　ゴールド：9,724円/g（-106）
　プラチナ：4,757円/g（-149）
　※田中貴金属公表の税込小売価格

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