ダイヤモンド相場の下落は分かり切っていた

投稿日:

3590 Gold

 

先日、宝飾業界の大規模な展示会に
足を運んでまいりました。

そこで様々なメーカーや卸業者の
担当者と情報交換をしてきたのですが、
顔を曇らせて口にしていたのが、
天然ダイヤモンドの相場が落ちている…
という話題でした。

長年、宝石の王様として君臨し、
永遠の愛の象徴とされたダイヤモンドですが、
ここへ来てその牙城が揺らいでいるのです。

 

その要因は、ラボグロウンダイヤモンド
いわゆる人工ダイヤモンドの予想を
遥かに超える台頭でした。

ラボグロウンダイヤモンドとは、
地球の奥深くで何億年もかけて形成される
天然ダイヤモンドと同じ成分・同じ構造を
地上のラボで人工的に作り出したもの。

 

数年前までは、あくまで模造品の一種と
軽く見られていた節もありましたが、
肉眼はもちろんプロのルーペを通しても
天然との区別がつかないほどの品質。

小さいサイズの物しか作れなかったけど
最近は3ct以上の大きなサイズも
安定的に作れるようになってます。

 

同じ構造、物質であるのに
価格は天然の数分の一です。

さらに、採掘に伴う環境破壊や
過酷な労働といった倫理的な問題を
クリアしている点も、エシカルな消費を
好む現代のニーズに見事に合致しました。

 

実際、街中には人工ダイヤモンドの
催事を行うなど、その勢いは決して
無視できないレベルに達しています。

メーカー筋の話では、ブライダル以外の
ファッションジュエリー分野において、
高価な天然ではなく品質の確かな
ラボグロウンを選ぶ消費者が急増。

 

これまで希少性を最大の武器として
高値を維持してきた天然ダイヤモンド。

全く同じ構造のものが人工的に
量産できるようになれば、供給過多により
相場が下押しされるのは必然。

 

価値が変わらない…と長年
信じられてきたものでさえ、技術革新という
大きな波の前では、その前提が大きく
揺さぶられてしまう現実。

それを目の当たりにした
そんな展示会でしたね。

 

ダイヤモンドで起こるなら金も…

天然ダイヤモンドの相場が
人工品によって落ちるなら、
金(ゴールド)も同じように暴落する日が
来るのではないか?

店頭でご相談を承っていると、
お客様からこうしたような不安の声を
尋ねられることがあります。

確かに、金もかつてないほどの
供給過多に陥ったときともなれば
暴落する可能性はあります。

では、暴落するときとは
どんなときなのか?

それは、もし金が人の手で簡単に
かつ安価に大量生産できるようになったり、
誰も金を必要としなくなったとき、
その価格は間違いなく暴落するでしょう。

歴史を振り返れば、人類は
中世ヨーロッパの時代から錬金術によって、
他の物質から金を生み出そうと
並々ならぬ情熱を注いできました

彼らは賢者の石と呼ばれる物質さえあれば
それが可能だと信じて研究を重ねましたが、
その試みはすべて失敗に終わっています

そうした過去の実験の賜物から
現代の高度な科学技術を用いれば、
他の元素から金を作り出すこと自体は
理論上可能となっています。

しかし、それには莫大なエネルギーと
天文学的なコストで、鉱山から掘り出すよりも
遥かに高くついてしまうため、今のところ
現実的な新たな供給源にはなりません。

また、地球の海水には約50億トンもの金が
溶けていると言われていますが、
その濃度は極めて薄く、採集には
膨大な労力がかかってしまいます。

第二次世界大戦中のドイツで検証されるも
採算が合わない結論となった歴史があります

つまり、人工的に安価に量産された
ダイヤモンドが金にも直面したリスクは、
現時点で極めて考えにくいのです。

 

そして、もう一つの暴落要因である
誰も金を必要としなくなるとき。

これは、人類の価値観や経済システム、
地政学リスクなどといった状況が
根底から覆るときを意味します。

 

インフレによって紙幣の価値が
目減りしていく中、特定の国家の信用に
依存しない無国籍通貨としての金は、
資産を守る備えとして世界中の中央銀行や
投資家から求められ続けています。

もし、世界中のすべての国が完全に
信用できる絶対的な共通通貨を生み出し、
地政学的なリスクが完全に消滅し、
インフレリスクが皆無になるのであれば
金の役割は終わるかもしれません。

 

ただし、現状はどうでしょう?

現実の国際情勢は
その逆へと進んでいます。

 

歴史上、数千年にわたって
価値がゼロになったことがない金の
圧倒的な実績は、それが人類の経済活動と
深く結びついている証です。

ペーパー資産を増やすための攻めとするなら、
実物資産である金は価値を保全する守り。

どちらか一方ではなく、異なる役割を持つ
両方をバランス良く持つことの重要性を、
ダイヤモンド市場の異変は改めて
教えてくれたのではないでしょうか。

 

ちなみに1971年以来の金と
ダイヤモンドの価格変動の比較グラフが
Xに上がってたのでリンクを張っておきます。

 

 

 

本日はここまで。
ゴールド皇子こと中岡英也でした。
(名前クリックでプロフィール表示)
May the Gold be with you. 

【本日(7/4)の貴金属価格(9:30価格)】
 ゴールド:24,163円/g(+49)
 プラチナ:9,719円/g(-88)
 ※田中貴金属公表の税込小売価格
 ※2025.7.1より14:00にも価格が公表されます(平日のみ)

 

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