ジュエリーに向く金属と向かない金属

投稿日:

1806 Gold

 

ホームページ経由で
ジュエリー修理に関する
問い合わせをいただきました。

その内容というのがリングの
サイズ直しだったのですが
これだけなら普通の宝石屋ででき
特段難しいことではありません。

ただ、そのリングがちょっと
特別なモノだったのです。

 

どんなリングかというと
ブランド品でデザインが
エタニティという一周グルっと
同じ見た目のやつであって
素材がなおかつシルバー。

 

サイズ直しは名前の通り
リングの大きさを指に合わせて
小さくしたり大きくする修理。

一般的には一部を切断して
地金を付けたり削って
溶接して再度付け直す作業。

直すサイズによっては
切断せずに済むのですが
こういった作業となります。

 

一周グルっと同じデザインの
エタニティリングもサイズ直しが
不可能ではないけど一部を切断すると
デザインが途切れたりします。

また、今回は違いましたが
もし宝石もグルっとついていると
なおさらサイズ直しは困難です。

 

そんな背景もあって
デザインや素材次第では
購入したお店でもサイズ直しが
できないことがあります。

この度、お問い合わせを
くださった方もまさに買ったお店で
サイズ直しができなかったようで
再購入を勧められたのでした。

 

ちなみに今回どうやって
修理したのかというとサイズ直しが
大きくして欲しい…とのことで
切断しない方法にて対応。

どうやったのかというと
少しずつではありますが
リングを延ばしての対応でした。

 

 

貴金属は加工しやすい

ジュエリーの素材と言えば
この度の銀(シルバー)もあれば
金やプラチナがメジャーです。

他にもチタンやタングステン、
パラジウムといった素材も
使われております。

しかし、金やプラチナ、
銀がメジャーなのには大きく
ふたつの理由があります。

 

それは

・加工しやすい

・世界の需要が高い

 

チタンやタングステンに
パラジウムはとても硬い金属で
展延性が弱いためにジュエリーなど
細かな加工に向かない金属です。

たとえ作ることができても
今回のようなサイズ直しが困難で、
しかも世界的にもジュエリーとして
認知が低く価値が分かりにくい資源。

 

そういった点に対して
金・銀・プラチナは加工しやすく
ピアスやリングといった細かな
装飾のジュエリー向きな金属。

更には使われてきた
実績がどれも長い金属であり
素材としての価値も世界で
通用しやすいワケです。

 

ではチタンやタングステンに
パラジウムがどういった場面で
使われているのかというと
硬さを活かした工業製品など。

チタンは航空機やプラント
タングステンはダーツバレルや
釣り道具にゴルフクラブ、
パラジウムは自動車の排ガス
浄化用触媒として使われます。

 

工業製品などはそれらが
造られたり使われる地域や
国でしか需要はありません。

しかし、金(ゴールド)は
ジュエリーだけでなくお金として
銀は食器などのカトラリーといった
需要が広範囲に広がります。

そのため、世界で見る需要は
やはり金・プラチナ・銀に
軍配が上がってしまいます。

 

このような背景があって
ジュエリーに使われる主な
資源として君臨しています。

だからといってそういった
金属を使うのが当たり前!
…というワケではありません。

ただ、メンテナンスには
あまり向いてないってことです。

 

 

 

本日はここまで。
ゴールド皇子こと中岡英也でした。
(名前クリックでプロフィール表示)
May the Gold be with you. 

【本日(8/16)の貴金属価格】
 ゴールド:6,960円/g(-3)
 プラチナ:4,079円/g(-29)
 ※田中貴金属公表の税込小売価格

 

【今週の逸品】
1830年創業のスイス老舗ブランドBAUME & MERCIER(ボーム&メルシエ)の腕時計。
世界第6番目の古参ブランドである同ブランドの18金イエローゴールドの稀少モデルです。

素材:K18YG
詳細:https://www.mercari.com/jp/items/m79454652694/

 

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