プラチナ小売価格が１６年ぶりの６０００円/ｇ台

2814 Gold

ゴールドとシルバーばかり
盛り上がっていてイマイチ
目立ってなかったプラチナ。

そのプラチナですけれども
5月に入ってから相場が高まり
かつての輝きを戻しつつあります。

先週、田中貴金属が公表する
現物の円建てプラチナ相場が
6,000円/gを超えました。

ここまでの値段が付いたのは
遡ると2008年以来のことで
実に16年ぶりのこと。

先物に関しても11年ぶりに
高値を付けたようですが
それだけプラチナも5月に
盛り上がりを見せました。

ここまで値段が上がったのは
ドル円為替が若干あれど
ドル建ての相場上昇によるもの。

ではなぜドル建ての相場が
上がってきたのかというと
産業用/宝飾品需要の高まりに
よるものでした。

プラチナで産業用といえば
自動車の排ガス触媒として
使われております。

コロナ禍からの景気回復で
自動車の生産台数は世界的にも
元に戻りつつあります。

パラジウムとプラチナは
この触媒として使われますが
自動車需要が高まりつつあり
どちらも値段が上がってるのです。

そして、宝飾品需要で
消費国として規模の大きな
中国の景況改善も一因。

中国の景気が本当に
良くなってきているのか
イマイチ微妙なところですが
回復の兆しが見られることで
プラチナ価格を後押ししてるのです。

ちなみにプラチナの
ドル建ては以前からブログで
900ドル/oz台なら買うのはあり
…なんてことを伝えました。

世界の景況感の高まりで
購入にあたるボーダーラインが
上がりつつありますね。

VWショックから回復か…

金価格が上がりすぎたために
プラチナの価格はゴールドの
約半分以下になってます。

この数年で貴金属の世界に
足を踏み入れた方からすれば
プラチナの方がゴールドより
高い時期があったことなんて
信用しないかもしれません(笑)

そんなプラチナは2015年の
VW（フォルクスワーゲン）社による
排ガス試験の不正問題を皮切りに
大きく相場が下がりました。

それ以降、ゴールドとは
真逆のトレンドでなっていき
現在のような価格差となりました。

資源としての価値は稀少性の
観点からプラチナに分があるけど
産業用需要がメインであることもあり
値段ではゴールドが高いのです。

最近プラチナが上がったのは
冒頭でもお伝えしたように
中国の景況回復によるもの。

そして、日本国内の場合、
為替の影響も受けるの円安が
価格を後押ししているのですが
それ以外にも要因はあります。

World Platinum Investment Councilが
2024年第1四半期のプラチナ需給レポートを
先日公表しました。

これは実際にはMetals Focusが
調査・分析したものでして、
需要と供給のデータがレポートに
まとめられた資料となってます。

これによると世界の
プラチナ需要に関しては
自動車触媒と投資需要が増え
前期よりも増えている状況。

それに対して供給では
前期よりも減っている状況で
2期連続で供給不足。

南アフリカの鉱山供給落ち込み、
ロシアの制裁による供給減少により
このような結果となってます。

このような供給不足は
昨年から起こっています

コロナ禍等で落ち込んだ
自動車産業需要が戻りつつあり
供給面が追い付いていないことで
今年も供給不足となる見込み。

ゴールドほどではないにしろ
プラチナが輝く年になるかもしれない
そんな状況が続いています。

今年はゴールドもシルバーも
高値を更新続けており、そこに
プラチナも入ろうとしてます。

貴金属が全体的に強い年、
まだ5月ではありますが今年は
そんな印象が付く1年に
なりそうではありますね。

本日はここまで。
ゴールド皇子こと中岡英也でした。
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May the Gold be with you. 

【本日(5/21)の貴金属価格】
　ゴールド：13,477円/g（+87）
　プラチナ：5,885円/g（-156）
　※田中貴金属公表の税込小売価格

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