2472 Gold
壊れたメガネを修理して欲しい
ということで問い合わせがあり、
お客様がお持ちになりました。
どうやら他店で断られたようで
ネットを探しているうちに
当店がヒットしたようです。
他店で断れたということは
故障内容としては厄介な
ケースが多いのですが、今回は
思ったほどではありませんでした。
ただ、預かった際の
状態はなかなか酷いもの。
というのもメガネの
フレームはレイバンでしたが
プラスチックのフレームが
ボコボコになってました。
長年使われてきたのか
黒いフレームも白ズミだらけで
見るも可哀想な状況でした。
ちなみに他の店へも
持ち込んだということでして
レイバン直営店など他店では
”買い直してください”というように
販売員から言われたようです。
確かに修理する手間からすると
新しく買い直してください…
と提案したくなる気持ちも
分かるような気がします。
ただし、お持ちになったのは
既に廃版のモデルであったのと
長年共に過ごしてきた愛用品。
他に使いたいメガネもなく、
思い出の詰まったメガネなので
可能な限り修理して使いたい！
…とのことでお預かりしました。
ということで当店の
メガネ主任に確認すると
ふたつ返事をいただきました。
状態からするとなかなか
難しいとは感じていたのですが
思たよりも簡単だそうでして
お客様の意向に沿えました。
どうやらレイバンだったのが
ミソだったようでして、
バキバキだったメガネが
元に戻って良かったです。
溶接できる素材とそうでない素材
ちなみにプラスチックも
物によっては今回のように
溶接での修理が可能。
レイバンは世界的に有名な
ブランドであり流通量も多い
大量生産されるブランド。
なので、プラスチックも
加工しやすい素材であって
元通りに直りました。
ちなみにプラスチックも
樹脂にアセテート、セルロイド等
メガネの素材で使われるものは
何種類かあります。
ブランドによっては
プラスチックの素材も異なり
修理できない物もあるワケです。
そんな溶接ですけども先日
指輪のサイズ直しを受けた際
残念ながら対応をお断りした
ケースがありました。
そのケースというのは
純金製の指輪でした。
他店で買われた物だそうですが
そのお店へ持っていったところ
サイズ直しを断られ、買い直し
…とのことだったようです。
純金というのはとても
やわらかい素材であるため
純金製と言っても大きく2種類の
指輪が存在しております。
それは型に流し込む鋳造と
叩くことで強度を強める鍛造。
純金製の指輪に関しては
鍛造で作られるケースが多く
鋳造の場合は硬化剤を混ぜることで
強化を増して製品化されます。
サイズ直しをするとなると
どこかで切って、地金を足すなり
減らすなりしたあとに溶接して
くっつける作業が必要です。
火を入れて叩く鍛造製法では
指輪を全体的に叩きながら作るので
サイズ直しによって一部だけ
溶接するとその強度が崩れます。
そのため、サイズを直す
番手が小さければ対応できても
あまりにも大きなサイズ直しは
修理できないこともあります。
ちなみに鋳造では鍛造ほど
強度を作ることはできず結構
柔らかくなってしまうので
ほぼ作られていません。
なお、物理的にサイズ直しを
できないかというとそうではなく
大きさを変えることはできます。
しかし、強度を保てないので
最初のような硬さはでないので
めちゃくちゃ柔らかいです。
それでも良ければ修理しましたが
今回の客様はそういうことならば
指輪はネックレスに通して
ペンダントの代わりに使う…
ということでお返ししました。
ゴールドは柔らかかくて
加工しやすい素材ですが
柔らかすぎるが故の短所も
あるということです。
純金は余計な成分がない
ピュアな金製品であることは
魅力ですが、その点に関しては
残念なところではありますね。
本日はここまで。
ゴールド皇子こと中岡英也でした。
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