2401 Gold
インゴットをお持ちになった
お客様から質問をいただきました。
そのインゴットはスイスの
UBSのものだったのですが
裏面にある刻印に対してもの。
どういった刻印かというと
3本の鍵がクロスしたデザインで
“何か意味があるのですか？“
…ということでした。
ちなみに今でこそ、この
デザインはUBSのロゴとして
使われているものの本当は
UBSのものでは無いんです。
これを語るにはUBSの歴史に
触れる必要があるのですけども、
もともとUBSはふたつの銀行が
合併して誕生した銀行。
かつてはスイス三大銀行があり
スイス銀行とスイス・ユニオン銀行、
そしてクレディ・スイス。
で、UBSはこの中のスイス銀行と
スイス・ユニオン銀行が合併して
誕生した銀行なのです。
そして先月、UBSはクレディ・スイスを
買収してしまったので、結局のところ
現在はスイス一大銀行となりました。
で、UBSに採用されている
3本の鍵のデザインというのは
スイス銀行の頃からあるもの。
そして、それぞれの鍵には
信用・安心・慎重な判断の
意味が込められたモノなのです。
UBSのことについて
ロゴ以外のことも聞かれたので、
ついでにお伝えしますと、
このUBSは何かの略称ではなく
正式名称での銀行名。
合併前のスイス・ユニオン銀行が
Union Bank of Switzerlandなので
頭文字を取ってUBSでは？
…とも言われましたが、
実はそうでは無いのです。
銀行という不敗神話
ここ最近、高値にもかかわらず
ゴールドを購入に踏み切る方の多くは
お金や金融機関に対し不安を覚えたから
…というものばかり。
昔からゴールドを売買する
ヘビーユーザーからすれば、それは
かねてからのことではありました。
ただ、有名な金融機関の破綻で、
今まで安心だと感じてきたことが
危ないのでは…と、なっています。
私は幼い頃からお金が貯まったら
貯金した方が良いように言われたので
サラリーマンになっても使わない分は
全て現金で貯めてきました。
ただ、今この状況となると
全てを貯金に回した方がいいかというと
決してそれはオススメできない
…なんて状況になりつつあります。
先日、ゴールドに関して
詳しく話を聞かせて欲しい！
というお客様がご来店。
一通り説明をしたのですが
”金もいいけど、相場によって
損失を被る可能性があるなら
元本保証のある現金でいいのでは？”
なんて質問をされました。
確かにおっしゃる通りでして
ゴールドは値動きによっては
元本割れのリスクがある商品で
言いたいことも分かります。
ただ、ゴールドの強みは
信用リスクがなく
インフレに強い傾向にある
という点にあります。
信用リスクというのは
発行元の破綻リスクであり
お金でいうと発行している国。
ですが、ゴールドには
発行元が存在しないのでいわば
依存する団体がいないので価値が
無くなることはほぼない…ということ。
お金も今は大丈夫でしょうが、
発行国にもしものことがあったり
為替の動きによっては通貨価値が
落ちる可能性もあります。
そして、インフレに強いですが
物価が上がると今まで持っていた
お金では買えなくなるということ。
とならばインフレの上昇分、
お金も増やす必要があるのですが
銀行に置いていてそれだけの
金利が果たしてあるのでしょうか？
日本は1980年以降、毎年平均で
約1.2%でインフレしている傾向にあり
現在の銀行金利でこれを満たすところは
恐らくないかとは思います。
ただ、ゴールドは資源であり、
物であるため、インフレの影響を
受けやすい傾向にあります。
確かに市場相場で決まってはいますが
鉱山での工賃や人件費、運搬費などの
コストも発生するのでインフレの
影響を多少は受けるということです。
確かに元本保証でみれば
お金に軍配は上がるのですが
ゴールドとは全く別物の資産。
資産同士の比較も重要ですが
商品の特徴全体を見据えることも
運用する上で大事ではありますね。
本日はここまで。
ゴールド皇子こと中岡英也でした。
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May the Gold be with you.
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