3611 Gold
先日、仕事の都合も兼ねて
福岡へ足を運ぶ機会がありました。
その滞在中の空き時間を利用して、
野口コインさんでウィーンフィル銀貨を
購入してきたのです。
当店は田中貴金属特約店の
地金商として貴金属の買い取りや
査定を行ってはいるのですが、現在は
店頭で銀貨を販売してません。
そのため、個人的な趣味で
銀貨を購入する際には、いつも
品揃えが豊富な野口コインさんを
利用させてもらっています。
これまでにも何度か銀貨を
購入した経験はあるのですが、
オーストリアのウィーンフィル銀貨を
実際に自分の手で購入し、手にするのは
今回が初めてのことでした。
このウィーンフィル銀貨は、
オーストリア造幣局が発行している
法定通貨であり、純度99.9%の純銀で
鋳造された地金型銀貨です。
オーストリア政府が発行する
地金型金貨としてみると有名なのは
ウィーン金貨ハーモニーですが、
このウィーンフィル銀貨は2008年から
発行されるようになりました。
コインのデザインは金貨と同じで、
表面にはウィーン楽友協会・黄金の間の
パイプオルガンが、裏面にはチェロや
バイオリン、ハープ、ホルン、ファゴット。
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団を
象徴する管弦楽器が美しく繊細に
レリーフされたデザインになってます。
法定通貨としての額面は
1.5EUROと刻印されていますが、
地金型銀貨なので実際の取引価格は
日々の国際的な銀相場にプレミアムが
上乗せされる形で連動して決まります。

重量は1トロイオンス(約31.1グラム)、
銀のずっしりとした重みと、ヨーロッパの
伝統を感じさせる優雅なデザインから、
金貨と同様、人気が高い銀貨のひとつ。
ただ、実際に手元でじっくりと眺め、
指先で触れてみると、これまでに
手にした地金型金貨とは明らかに
違った印象を受けたんです。
ツルツルかギザギザか…
実は2年前にも、野口コインさんで
ランダム銀貨を購入しました。
その時に私の手元に届いたのは、
イギリス王立造幣局が発行する
ブリタニア銀貨でした。
今回購入したウィーンフィル銀貨を
ブリタニア銀貨と並べてじっくり
比較したのですが、ウィーンフィル銀貨は
ブリタニア銀貨に比べると、細かな装飾や
偽造防止の特殊なギミックが少なく、
全体的にやや淡泊で平面的な印象。
まぁ、そもそも銀貨というものは、
ウィーンフィル銀貨に限らず、
側面の「ギザギザ(ギザ縁や刻み)」がなく
金貨に比べると装飾や加工がかなり
簡易に作られています。
金貨の側面には細かいギザギザが
びっしりと入っているのが一般的ですが、
多くの銀貨はツルツル側面なのです。
なぜ金貨はあんなにも精巧で
側面にギザギザが施されているのに、
銀貨の加工は簡易なのか?
その理由はズバリ、
銀の単価が圧倒的に低いから…
という経済的な事実に行き着きます。
店頭価格で見ても、
時期によっては金の価格に対して
銀の価格は約70分の1といった
大きな開きが発生してます。
金は極めて価値が高いため、
昔から硬貨の周囲を刃物などでわずかに
削り取って盗む削り取り(クリッピング)
という犯罪が横行しました。
それを防ぐため、側面にギザギザを刻み、
少しでも削られればすぐに分かるような
複雑な加工を施す必要があったのです。
また、平面にも簡単に偽造できないよう
偽造防止の細かな装飾が施されてます。
その一方で、単価の安い銀貨に
精巧な加工や偽造防止技術を詰め込むと
製造コスト(加工賃)が銀という素材
そのものの価値を上回ってしまい、
地金型銀貨として採算が合いません。
つまり、銀貨の装飾が簡易なのは
コストをかけられないから…なのです。
※銀貨だけは側面がツルツルなのです。
この金貨と銀貨の作りの違いは、
金(ゴールド)という資産が持つ
圧倒的な価値の凝縮度にあります。
わずかな削りカスですら
お金になる金は、人類の歴史の中で
数千年もの間、決して価値がゼロに
なったことがない普遍的な富の象徴。
手軽な銀貨も魅力的ですが、
有事の際やインフレから本格的に
資産を守る盾としては、やはり圧倒的な
価値密度を持つ金が中核なのかな…と
改めて実感した次第です。

本日はここまで。
ゴールド皇子こと中岡英也でした。
(名前クリックでプロフィール表示)
May the Gold be with you.
【本日(7/25)の貴金属価格(9:30価格)】
ゴールド:23,783円/g(+71)
プラチナ:9,526円/g(+0)
※田中貴金属公表の税込小売価格
※2025.7.1より14:00にも価格が公表されます(平日のみ)
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