金貨の肖像は正面でなく横向きが採用される理由

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3703 Gold

 

昨日10月17日、金投資や貴金属の
魅力を伝える一大イベント
ゴールドフェスティバル2026の
ミニセミナーに登壇しました。

近年、歴史的な金価格の高騰や
不確実性が高まっているのもあり
会場は文字通りの満員御礼。

来場された皆様の熱気と
真剣なまなざしを見て金に対する
意識の劇的な高まりを肌で感じました。

 

会場内には様々な貴金属商や
協賛会社が出店しており、各ブースとも
活気に満ちていました。

その中で私の目を引いた非常に
面白いブースがありました。

世界金市場の発展を牽引する
国際機関World Gold Council
(ワールド・ゴールド・カウンシル)。

 

そこで行われていたのは、
なんと生成AIを活用した
体験型イベントでした。

ブースに設置されたカメラで
自分の顔写真を撮影すると、最新の
AI技術がその場で画像を解析・加工。

まるで本物の金貨に自分の顔が
レリーフ(浮き彫り)されたような
オリジナル金貨のデザイン画像を
瞬時に生成してくれるというもの。

 

不変の資産である金の世界に
現代のテクノロジーである生成AIが
融合するというギャップ。

これが非常にユニークで、
休憩時間には参加者が
長蛇の列を作っていました。

私も体験してみましたが、
黄金色に輝くコインの中に
自分の顔が刻印された画像を見ると
歴史上の偉人や国王になったかのような
不思議な高揚感がありました。

 

ゴールドフェスティバルという場は
普段店頭でお客様とお話しするのとは
また違い、既に何かしらで金投資を
行っていっる方ばかりです。

今回のようにAIを使って金貨の
デザインを作る体験は参加者からしても
金を更に親しみやすいものとして
認識する素晴らしい一歩。

私自身も、伝統的な実物資産の
魅力を伝えるにあたり、時代に合わせた
アプローチの重要性を学んだ次第。

 

横向き?それとも正面?

 
さて、自分の顔が金貨の
デザインになる体験をして、ふと
お伝えした話があります。

現在、世界中で広く流通している
メイプルリーフ金貨であったり
カンガルー金貨といった地金型金貨。

発行国がイギリス連邦の一員なので
イギリス国王の肖像が刻印されます。

 

長らく親しまれた
エリザベス2世女王の肖像から、
現在はチャールズ3世国王の肖像へと
切り替わっています。

お手元にお持ちの方は、
ぜひその顔の刻印をまじまじと
見つめてみてください。

 

お気づきでしょうか?

実は、刻印されている肖像は
すべて横向き(横顔)であり、
正面を向いた顔はないんです。

なぜ金貨の肖像は正面ではなく
横顔なのでしょうか?

 

その理由は古代ローマ時代にまで遡る
硬貨の構造的な弱点と実用性にありました。

硬貨に人物の顔を正面から立体的に
浮き彫り(レリーフ)にした場合、
最も高く出っ張る部分は鼻になります。

硬貨は人々の手を渡り歩き、
財布の中で他の金属とこすれ合います。

 

もし正面顔を刻印してしまうと
真っ先に鼻の頭が摩耗して削れ、
やがて顔全体がのっぺらぼうになり
顔を判別できなくなってしまうのです。

一方、横顔であれば、顔の輪郭や
シルエットの線全体で凹凸を表現でき、
仮に表面が多少摩耗しても誰の肖像か?
という特徴が残りやすいのです。

つまり横顔は、何十年、何百年と
流通することを前提とした、先人たちの
摩耗対策の智恵でもあるのです。

 

さらに、イギリス国王の横顔の刻印には
もうひとつ厳格なルールが存在します。

それは「新しい君主が即位して硬貨が
作られる際、先代の君主とは反対向きで
横顔を刻印する」という伝統。

これは17世紀、王政復古を果たした
チャールズ2世の時代から300年以上も
続いていることではあります。

 

先代のエリザベス2世女王は
右向きの横顔でした。

なので、現在のチャールズ3世国王の
金貨は左向きの横顔が刻印されてます。

そして将来、もしウィリアム王子が
国王に即位した暁には、再び右向きの金貨が
発行されることになります。

 

金貨は単なる投資対象や
金属の塊ではありません。

その小さな円盤の表面には
数千年続く摩耗への対策と何百年も
受け継がれる王室の伝統的なルールが、
精緻なシルエットと共に刻まれています。

たまには相場など数字の世界から離れ、
ルーペ片手に金貨に刻まれた歴史のロマンを
じっくりと眺めてみるのも面白いですよ。

 

 

 

本日はここまで。
ゴールド皇子こと中岡英也でした。
(名前クリックでプロフィール表示)
May the Gold be with you. 

【本日(10/25)の貴金属価格(9:30価格)】
 ゴールド:22,500円/g(+0)
 プラチナ:8,950円/g(+0)
 ※田中貴金属公表の税込小売価格
 ※2025.7.1より14:00にも価格が公表されます(平日のみ)

 

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