ACAMSに登壇!宝石・貴金属の匿名性リスクをお話し

投稿日:

3382 Gold

 

12月3日・4日に渡って開催された
重要な重要なカンファレンスに
登壇者として参加してまいりました。

それは、アメリカに本部を置く
世界最大の金融犯罪対策専門家の
会員制組織ACAMSが主催のイベント。

 

普段、店頭で金やプラチナの
売買取引をしていると、お客様から
運用や投資の相談を受けることが
ほとんどではあります。

しかし、私達の仕事には
取引以外にも社会的に極めて
重要な側面があります。

それは、マネーロンダリングや
テロ資金供与といった金融犯罪の
防波堤としての役割です。

 

ACAMSは、金融機関や士業、
政府機関、法執行機関などといった
世界中の金融犯罪対策のプロが
集う場であり、そこで語られる内容は
常に世界最先端の規制動向と実務です。

今回は宝石・貴金属等取扱事業者の
枠として登壇し、実際の店頭における
マネロン対策の取り組み事例や課題感を
報告させていただきました。

法律論やシステムの話ではなく、
現場は何を見て、どう判断しているのか?
といった実務での話に特化したものでした。

 

犯罪収益移転防止法に基づく
本人確認は基本中の基本ですが、
現場ではそれ以上の違和感を
察知する能力が求められます。

”なぜ、このタイミングで、
この量の金を売ろうとするのか?”

”取引の目的と、お客様の属性に
整合性はマッチしているのか?”

”スタッフからの質問に対する
回答があやふやだったり、背後で
誰かの指示を伺う素振りはないか?”

 

こうした疑わしい取引(うたとり)を
検知するには、マニュアル通りだけでなく、
お客様との対話の中から真実を見抜く
洞察力や経験が必要になってきます。

ということで、日々行っている
具体的な確認フローや、実際に取引を
お断りしたケースや事例などを
10分ほどにまとめてお伝えしました。

 

会場には総勢300名弱の
金融機関や教育機関、当局の
方々が参加されていました。

その中でも私が強調したのは
”宝石・貴金属店は、犯罪収益が
洗浄される最後の砦になり得る”
という危機感です。

 

銀行振込が厳しく監視される今、
物理的なモノで匿名性が高い貴金属は
マネロンの格好の餌食です。

BtoCの最前線に立つ小売業が
高い意識を持ち水際で食い止めなければ、
日本の市場全体が犯罪者の抜け道として
国際的な信用を失いかねませんからね。

 

やっているお店とやってない店

なぜこれほどまでに貴金属が
金融犯罪に利用されやすいのか?

その最大の理由として
”極めて高い匿名性”にあります。

 

株式や債券、銀行預金といった
ペーパーアセットには、
必ず名義人が存在します。

誰が保有し、いつ、どこへ移動したか…
全ての履歴はデジタルデータで記録、
当局がその気になれば完全に
追跡することが可能です。

しかし、金やプラチナなどの
貴金属資産にはそれがありません。

 

たとえば1kgのインゴットに、
持ち主の名前は刻印されていません。

Aさんが持っていればAさんのもの、
Bさんに手渡せばBさんのもの。

所有権の移転は、物理的な
受け渡しだけで完結するものでして、
そこに公的な記録は残らないもの。

 

店頭での取引も同様でして
じゃあこれが政府管理の書類に
記録が残るのかというと
そうではありません。

お店とお客様の手元には
何かしらの資料はあれども
それしか残らないのです。

 

更に金は溶かしてしまえば
元の形を失い、刻印すら消滅。

再加工されてしまうと、
それが元々どこから来た金なのか、
盗まれたものなのか、正規品なのかを
判別することはほぼ不可能です。

 

この過去を消せるという性質こそが、
マネーロンダリング(資金洗浄)を
目論む犯罪者にとって魅力的なのです。

不正に得た資金を金に変えたら、
その金の出自は不透明になり、
再び売却して現金に戻したとき、
”正当な取引で得たきれいなお金”
として洗浄完了となります①。

 

”自分の資産は誰にも知られたくない”
”国や銀行の管理下にない資産が欲しい”
こうした願望は、多くの投資家が
金を求める理由の一つでもあります。

有事の際に持ち運べる、
国境を越えても価値が変わらない…
といった金のメリットは、裏を返すと、
そのまま犯罪利用のリスクにも
直結する商品でもあります。

だから、取扱事業者の責任は
とても重大でもあります。

 

入口(購入)と出口(売却)を厳格に、
怪しい人と金を市場に入れない、出させない。

年々本人確認の取り組みは厳しくなってますが、
決して善良なお客様を疑ったり、
取引を面倒にするためのものではありません。

犯罪マネーを排除し、金市場の健全性を
保つためにやっていることではあるので、
金の価値と信用を守るためにもご協力
いただければと思います。

 

 

 

本日はここまで。
ゴールド皇子こと中岡英也でした。
(名前クリックでプロフィール表示)
May the Gold be with you. 

【本日(12/10)の貴金属価格(9:30価格)】
 ゴールド:23,430円/g(+218)
 プラチナ:9,430円/g(+207)
 ※田中貴金属公表の税込小売価格
 ※2025.7.1より14:00にも価格が公表されます(平日のみ)

 

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