ドルや金相場にも影響したトラス(BOE)ショック

投稿日:

2221 Gold

 

先週はとあるキーワードが
急に注目されました。

それはBOEショックという
言葉なのですけども、このBOEは
Bank of Englandの略であり、
イングランド銀行のこと。
(イギリス中央銀行とも呼ばれます)

 

なぜ”ショック”かというと
イギリスの通過であるポンドが暴落し、
ポンド安となったので、その単語が
セットとなった感じです。

ちなみにここまでの事態になったのも
ポンドがドルに対して、過去最安値と
なってしまったのが背景にあります。

そもそもの事の発端ですが
イギリスのトラス首相が
発表した数十年ぶりの大規模な
減税政策が引き金でした。

突然発表されたこともあって
イギリスに対する経済不安が起き、
英国債が売られてしまう始末。

そういった経緯もあって
イングランド銀行ショックは
別名で”トラスショック”とも
呼ばれています。

 

ただ、それで終わらずに
イギリス政府は量的緩和を
急遽発動する対応。

減税政策をするにしても
量的緩和の再開にしても
突拍子もない出来事で市場は混乱。

また、それだけでなく急に
ぶっこんできた中央銀行に対する
不信感も募る結果となりました。

 

ここ数年のイギリスは
インフレ率が直近40年において
過去最大を記録している状況。

これからもインフレは
まだまだ進むと予想されており、
国民の生活悪化も危惧されてます。

そのためにこの度、トラス首相は
大幅な減税案を打ち出したワケですが
そうしてしまうと政府の財政を
苦しめてしまうワケで、それが
経済良好になるとは思えませんね。

 

ジョンソン元首相の辞任、
エリザベス女王の逝去、
となかなかイギリスにとっては
よいニュースがない今日この頃。

EUを離脱したイギリス、
なんだかあまりうまいこと
物事が回ってない気がします。

 

 

減税案、突然の撤回

ここまでは先週までの
動きだったのですがつい先日
急転したことがありました。

それは先ほどお伝えした
大幅な減税政策の撤回。

 

当初は減税政策が行われたことで
イギリス経済を不安視されたので
イギリス国債が売られる始末。

ただ、最終的に減税政策が
撤退されたことによって、
売られたイギリス国債が
買い戻される動きとなりました。

なぜでは今回のBOEショックが
世界に普及することになり、
金相場にも影響したかというと
国債と金利の関係にありました。

 

一般的に国債が売られると
価格が落ちることになって、
国債の金利が上がります。

逆に国債が買われると
価格が上がるので金利は
下がる傾向になります。

一度は売られた国債が買われ
金利が下がる傾向になった英国債が
アメリカの国債にも同様の現象が
起きる結果となったのです。

 

では、この金利の話が出ると
金価格にどう繋がるのか?
…ってことですが通常では
金利が上がると金価格は下がる
という動きが過去の一般論。

ただ、昨年頃からは
インフレのせいで金利と金価格の
関係性が逆になりつつあります。

ここ数ヶ月、アメリカは
インフレ対策のために金利を
バシバシ上げている状況ですが
それが先行き不安感を出しており
過去とは逆の動きとなっているのです。

 

今週に入ってからは
円建ての金価格が一気に
上昇した背景としてはまさに
この度のBOEショックが一因。

にしても発表したことを
すぐに撤回するなんて
政府の信用を落とすだけですね。

 

 

 

本日はここまで。
ゴールド皇子こと中岡英也でした。
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